桜色トライアングル




少し購買に並んで、目的のドーナツをゲットしたあたしたちは屋上に来ている。


日差しが強くなり始めているからか、屋上で食べている人は数人。


あまり人のいない、端っこの所に二人で座ってお弁当を開く。


「いただきまーす。んで?なにがあったの?」


真姫が卵焼きを口に入れながら聞いてくる。


「えぇと、休んでるときに芹沢先輩が来て…、あ、その前に芹沢先輩と会ったのは奈未ちゃんとのことがあってからなんだけど」


「あぁ、あのときね、それで?」


「それで、あたしが休んでるときに家まで先輩が来て、あたしのことが気にいった、って言われたんだけど、どういうことかな?」


あたしはフォークをミートボールに刺して、口に運ぶ。


「どうって…、そのままの意味じゃない?」


「でも、先輩は学校の王子だよ?よくわかんないよ」


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