桜色トライアングル




*****


「ただいまお姉ちゃん!」


玄関のドアを開けると、丁度お姉ちゃんがキッチンに入るところだった。


「おかえり~、いきなりお菓子作り教えてとかどうしたの?もしかして例の彼のため?」


むふふ、と口元に手を当てて含み笑いをするお姉ちゃん。


「あ、えっと、今回はね…」


お菓子…今回は簡単にクッキーを焼くことにして、その準備をしながら先輩のこととかを話した。


家に上がったとかは…省いて良いよね。



「ふーん?桜っていつも先輩に振り回されるよね」


「え!?た、確かに…」


この間お姉ちゃんに相談したときも、架凜先輩に負けたくなかったからだ。


あれはあたしが勝手に対抗意識燃やしてたんだけどね…。


そういえば最近会わないけど…、海希くんと関わってるのかな…。


「ほら桜、ボーッとしてないで、小麦粉計って」


「あ、はっ、はいっ」


とりあえず、今はクッキーをうまく作れるように頑張ろう。


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