桜色トライアングル
「おーまえら。桜が困ってんだろ」
あたしの回りを囲んでいた四人の頭を、海希くんが後ろから順番に叩いていく。
「ずりぃわー、海希だけさくらんを独り占めしようとしてるー」
「は!?してないだろ!」
一人が冷やかすように海希くんに言うと、ちょっと赤くなってまたばしばしとその人を叩いていた。
ほんと…海希くんに独り占めされたいな。
とか、あたしなに考えてるんだろ、もう。
海希くんは純粋な人らしく、そんな冗談でも赤くなっちゃうのが可愛い。
「ほ、ほら、桜もアイス食えよ!溶けてるぞ!」
「わっ、ホントだ!」
カップに入っているイチゴアイスはどろどろになり始めている。
急いで食べていると、昂矢くんがゆるっとした笑顔で言った。
「さくらんって、小動物みたいだよな」
「…昂矢くんそれ、身長見て言ってないよね?」
「ん~、全体?」
「もう~~!!」