桜色トライアングル
鞄に荷物を詰めて、真姫と二人でB組に向かう。
まだHRが終わってないみたいで、あたしたちは廊下で待つことにした。
壁に寄りかかって話していると、なんだか階段のほうが騒がしいことに気がついた。
「なんだろう?」
「さぁね?虫でも出たんじゃない?」
ちょっと様子を見ようと寄っていくと、
「…、芹沢先輩…!」
女子に囲まれた先輩がいた。
「あぁ、最近良く会うね、君」
「あはは…そうですか?」
先輩が来てるんじゃないですか。
とは言えず。
先輩の回りには、あたしを睨んだりしてくる女子もいる。
どうしよう、クッキー渡したいけどこの中で渡したら不味いよね。
「なに?」
なにも言わないあたしを不思議に思ったのか、先輩が首をかしげる。
「あ、えっと…」
も、もういいや!渡しちゃえ!
バッグからクッキー一袋を取り出して、半ば押し付けるように手渡した。