桜色トライアングル




「か、海希くん?どういう…?」


「なにこれ?なんであたしが?」



着いたのは、今は使われていないはずのプール。


フェンスで囲われたプールの出入り口に、ジャージに着替えさせられたあたしたちがいた。


「や~、ちょっと顧問に怒られて、プールの掃除させられることになって…。一緒にやってくれない?」


手を頭の後ろに持っていって、ははは、と笑う海希くん。


半袖シャツを捲って腕を出してるから、筋肉がよくわかる。


足もジャージを捲っていて、あたしの好きなスタイル…、あ~、どきどきする。


プールの掃除かぁ、仕方ないなぁ、とあたしがにやにやしている隣で、真姫は


「暑いしっ、なんであたしが!」


とぷんぷんしている。


すると海希くんは、真姫に寄っていってこそっと何かを耳打ちした。



「…し、しょうがない、わね…」


なぜだか、真姫が大人しく従っている。


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