桜色トライアングル




「海希くん、真姫になに言ったの?」


「ん?内緒」


にっこり、と笑った海希くんがかっこよすぎる。


直視できずに顔を逸らしたとき、ふと、さっきのことを思い出した。


海希くんといれば、さっきの先輩とのことも忘れるよねっ。


クッキーは終わってから渡そう!


「てか、あたしたち3人だけなの?」


真姫がデッキブラシを海希くんに手渡しながら言う。


「あ、昂矢が来るよ」


「…なんで怒られたのよ?」


真姫はまだちょっと不機嫌らしい、ツンツンしてる。


「…まぁ、いいじゃん?」


海希くんにしては珍しく、歯切れの悪い言いかた。


なんだろう、何かあったのかな。


聞けない雰囲気だから、聞かないけど。



< 124 / 140 >

この作品をシェア

pagetop