桜色トライアングル




高校では使わないけど、近くの小学生に夏休みだけ解放してあげるらしい。


なんでも、小学校のプールは工事をしちゃうから、使えなくなるらしくて。


使ってないから汚いと思ってたけど、用務員さんとかが掃除していたのか、思っていたより綺麗。


「桜、ブラシ持たないで何で掃除すんの」


ブラシの柄の部分でこんっと頭を叩かれて振り返る。


「あ、ほんとだ。ありがとう」


「しかしこの広さを四人は辛いだろ…」


はぁ、と海希くんがため息をついて遠い目をする。


確かに…でも真姫たちが結構もうやってるみたいだ。


「大丈夫だよ、あたしがいるから!」


「…はいはい」


呆れた目をしないで海希くん。


あたしはさっそく裸足になってから、ハーフパンツを少し捲り、体操服も捲ってプールの中に入った。


「わ、ちょっと滑る。あの二人よくあんなに動き回れるなぁ…」


「昂矢はともかく、宮沢があんなことしてると面白いな」


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