桜色トライアングル
身長低いのはわかってるけど、牛乳飲んでも伸びないんだもん!
「あはは、ごめんごめんっ」
昂矢くんも大きいし、いいなぁ…。
なんて、昂矢くんを眺めていると。
「桜、そろそろ帰らない?」
アイスを食べ終わったらしい海希くんが、暇そうにそう言った。
「帰るっ、ちょっと待ってね」
アイスのカップに蓋をして、ゴミ箱に捨てる。
それから四人に手を振って、海希くんと帰り道を歩き始めた。
「あいつらさー、まじ付き合ってんのかって感じ」
「いいなー海希、さくらん可愛いし」
「ま、あの二人がどう思ってるかは、わからねーな」
そんな四人組の言葉は、あたしたちには聞こえては来なかった。