桜色トライアングル



真姫もきっと届かないから、海希くんか昂矢くん呼ばないと。


「桜?なにしてんの?」


「海希くん、丁度良いところに!」


入り口から顔を覗かせた海希くんを手招きして、段ボールを指差す。


「あれを取ってほしいんだ」


「桜は届かないもんな」


意地悪に笑いながら、軽々と段ボールを下ろしてくれる。


「これから伸びるからいいの!ありがとう、あとはあたしが…」


「いいよ、俺が持ってくよ。桜がこれもって歩いたら転びそう」


確かに重そうだけど転びはしないよ、…たぶん。


スタスタと先に出ていく海希くんの後について行き、箱を覗くとやっぱり青と黄色だった。


「なにしてんの?」


「やっぱり青と黄色だなぁって」


「なんだそりゃ」


ふはっ、と吹き出して笑われて、ちょっと恥ずかしい。

< 131 / 140 >

この作品をシェア

pagetop