桜色トライアングル
真姫もきっと届かないから、海希くんか昂矢くん呼ばないと。
「桜?なにしてんの?」
「海希くん、丁度良いところに!」
入り口から顔を覗かせた海希くんを手招きして、段ボールを指差す。
「あれを取ってほしいんだ」
「桜は届かないもんな」
意地悪に笑いながら、軽々と段ボールを下ろしてくれる。
「これから伸びるからいいの!ありがとう、あとはあたしが…」
「いいよ、俺が持ってくよ。桜がこれもって歩いたら転びそう」
確かに重そうだけど転びはしないよ、…たぶん。
スタスタと先に出ていく海希くんの後について行き、箱を覗くとやっぱり青と黄色だった。
「なにしてんの?」
「やっぱり青と黄色だなぁって」
「なんだそりゃ」
ふはっ、と吹き出して笑われて、ちょっと恥ずかしい。