桜色トライアングル



「あんたも飽きないねぇ、ほんと」


「あんなイケメンに落ちない方がおかしいよ」


学校について、下駄箱で靴を履き替えながらそういうと、


「あたしは風原くんかなぁ」

と、真姫が呟いた。


「あぁ…風原くん…」



隣のクラスの風原 慎太郎くんは、ちょっと気弱な男子。


髪もちょっと長めで、おっとりしてる性格で、タレ目な人。


真姫的には、その子犬感がいいらしい。


あたしとしては、ドジなところとか…自分に似てるから、合わないなぁって思うけど、

しっかり者の真姫にとったら、世話したくてしかたない存在なのかも。


それが恋愛感情なのかは謎だけど…


「あ!噂をすれば!おはよう風原くーん!」


「わ!おはよう、宮沢さん」


隣の下駄箱に走り寄って、ぱんっ、と風原くんの肩を叩く真姫。


それにちょっとビックリしながらも、ほんわかした笑みを浮かべている風原くん。


…なんだか良い雰囲気になっちゃって。
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