桜色トライアングル
確かにカッコイイ、かな?
でもあたしは海希くん一筋だからね!
黒髪イケメンって感じの芹沢先輩を見て、そんなことを思う。
でも誤魔化すためになにか言わないと!
「あ、うー、そうそう。芹沢先輩カッコイイよね~」
はは、とちょっと苦笑いで言っていると、
「えー、さくらん、芹沢先輩狙いなの~?」
と、ゆるい声が聞こえた。
「こ、昂矢くん!」
き、聞かれてた!
待って待って、もしかして海希くんいたりなんかしたりして。
「へぇ、桜、そうなんだ~?」
きゃぁぁ!やっぱりいたし、海希くんにも聞かれてた!
移動早すぎるよもうっ。
「いや、これには訳が…」
「桜ちゃん大丈夫!私も応援してるし!」
ぐっ、と奈未ちゃんに親指を立てられて、ぶんぶん首を振る。
海希くんを目の前にして、海希くんが好きだから先輩は好きじゃないとか言えないし、
でも誤解されたままなんて…!