桜色トライアングル
海希くんたち南条高校サッカー部は、数ある部の中でもイケメンが揃う部なんだけど…
それでも海希くんは群を抜いて、あたしのどストライクな人だった。
あぁ…カッコいいよぉ…
海希くんたちは相手と挨拶をすると、ベンチへぞろぞろ戻っていく。
あたしたちも試合終わったしそろそろ帰ろうかな。
ホントは、海希くんとちょっとでも話して帰りたいけど、きっとまだ反省会みたいのもやるんだろうな。
「真姫、レジャーシート畳もっ」
「おっけー、そっち持って~」
二人で、持ってきたシートを畳んでいると、誰かが走ってくる足音が聞こえた。
「桜ーっ!」
この声は、海希くんだ!
あたしは立ち上がり、振り返った。
「海希くん!」
「ちっちゃいからすぐわかった」
そう言ってクスクス笑うから、あたしは怒ったフリをして頬を膨らます。