桜色トライアングル



*****


「はぁ…」


あたしは家に帰るなり、鞄を放り投げてベッドに寝転んだ。


あれから何度も誤解を解こうとしたんだけど…

なんでかわからないけど、海希くんが目も合わせてくれなくなっちゃって。


「うぅ…」


余計な嘘が、変なモヤモヤを生んでしまった。


なにか怒らせるようなことしたかなぁ、あたし…


「あ…、制服皺になっちゃう」


もそり、と起き上がってハンガーに制服をかけていると、スマホが鞄の中で音を立てた。


「誰だろう、真姫かな」


鞄の脇のポケットに入れていたそれを取り出して、開いてみるとやっぱり真姫だった。


『今日、海希くんと話してた!?

なんか、全然姿見なかったけど!』


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