桜色トライアングル
ヤキモチ
翌朝。
あれからそのまま寝ちゃったあたしは、電車を降りるなりダッシュしていた。
夕べお風呂に入れなかったから、朝に入ったら遅刻しそうになってしまった。
しかも、駆け抜けるあたしの頭上は、灰色の雲が覆い尽くしている。
あたしの心と同じくらいモヤモヤしてる。
ああっ、ていうか、あたし傘も持ってないや!
走れば間に合うかな、雨が降る前に。
「あ、うわ…」
なんて言ってるうちにポツポツと腕に当たる雫。
降ってきちゃったよ…。
周りの人はそれぞれ傘を差したりしてるけど、そんな中あたしは学校目指して走る。
鞄を頭の上にして走っていると、どんっ!と思いっきり誰かにぶつかってしまった。
「わ!!ご、ごめんなさい!」
雨を気にしてて全く前見てなかったよ。