桜色トライアングル




幸せな気持ちが逃げていく。


海希くんと同じ傘に入っているものの、違う空間にいる気がした。




幸いだったのは、すぐに学校についたこと。


下駄箱で、先輩と別れて靴を履き替える。



「桜、どうした?ずっと黙って…」


「ううん、なんでもないよ。ベストありがとう、返すね」


「え、いや、まだ…」



あたしはベストを押し付け、海希くんの言葉を待たずに駆け出した。


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