桜色トライアングル
「っていうか、桜、先週…」
「桜、チャイム鳴っちゃうよ、行こ!」
隣にいた真姫が焦ったようにあたしの腕を引く。
「わっ、ほんとだ!海希くんごめんまたね!」
海希くんが言いかけた言葉を聞くことが出来ずに、教科書をかかえて走り出す。
あたしたちが走ると同時に、昂矢くんもやべっ、と言って走り出した。
なにを言いかけたんだろう、聞こえなかったな。
それより褒められちゃった、海希くんに。
この調子で頑張ろっと!
「桜にやけすぎ」
「えへへっ」
あたしは終始にやけながら、生物の授業を受けた。