桜色トライアングル
後輩君
午後の授業は眠くなる。
あたしは六時間目の現国を、うとうとしながら聞いていた。
おまけにあたしの席は日が当たってるから余計に眠くなる。
6月にしては気温は低いけど、このくらいのほうがぽかぽかして気持ちいい。
「ふぁ…」
気づかれないように小さく欠伸をして、ぼーっと黒板を見る。
なんでこう、国語の先生って声がいいのかな。
頭をゆらゆらさせながらもノートをとっていると、外から笛の音が聞こえた。
思わず外を見ると、B組の男子が体育でサッカーをしている。
なんでB組ってわかるかっていうと、海希くんを見付けてしまったから。
「…あ、シュート…」
試合が始まって早々、海希くんがゴールを決めた。
授業そっちのけで、試合の様子を見ていると眠気なんか飛んでいく。