桜色トライアングル
みんなに向いて言ってたけど完全にあたしのことだ。
だってだって、海希くんがカッコよかったんです。
「桜、寝てたの?当てられるなんて」
真姫に笑いながら聞かれて、あたしはまた恥ずかしくなる。
「ううん、外見てて…」
「外っていうか、海希くんでしょ」
「う…」
次からはちゃんとバレないようにチラチラ見ようっと…。
悪い決意を固めながら、帰る支度をしていると、クラスメイトに入り口のほうから名前を呼ばれた。
「桜ちゃん、お客さん」
「お客さん…?」
入り口に立っていたのは、背の高い男の子。
全く見覚えがないんだけど…、後輩かな?