桜色トライアングル
「なにか用ですか?」
背が高くて、大人しそうな男子。
髪の毛、長いなぁ…。
「あっ、あああの、あのっ、支度終わったら、校舎裏に来てもらえますか?」
異様に慌てながら、真っ赤な顔で言われた。
「へ?う、うん?ここじゃダメなの?」
「だっ、ダメです!失礼します!」
早口で言うと、ぴゅーんっ、と去っていく。
「え、な、なんだったの?」
校舎裏とか…、なんの用が…。
あたしは首をかしげながら途中だった支度を始め、真姫に先に帰っていいと伝えた。
名前も聞けなかったけど、誰なんだろう。