桜色トライアングル
少し薄暗く、じめじめしている校舎裏に向かうと、すでにさっきの男子がいた。
「ごめんね、それで用って…」
「さ、真田桜先輩!好きです!付き合ってください!」
バッ、と頭を下げられて早口で言われる。
しかもあたし自身の言葉と被ってちゃんと聞き取れなかったけど…
「へっ、え、え!?」
「あの、突然迷惑ですよね!」
長い前髪で隠れそうなその顔は、誰が見てもタコって言えるほど真っ赤になっている。
けど、突然の告白にこっちまで恥ずかしくて赤くなってるから変わりはないかも。
「め、迷惑っていうか、その、あなたのこと知らないし…」
「はっ、僕自己紹介もしてなかった…。あ、えぇと、1年の花江 優っていいます」
「花江くん…」