桜色トライアングル



あたしのことをそんな風に思ってくれる人がいて。


「…でも、ごめんね、あたし好きな人がいるんだ」


「…ぅ」


花江くんは、ガーンって効果音が付きそうなほどショックな顔をしていて、なんだかとてつもなく申し訳なくなった。


「ほ、ほんとうにごめんなさい。あの…でもせっかく知り合えたし、友達とか…どう?」


ちらり、と花江くんを見上げると、今度は嬉しそうな顔をしてくれた。


ふふ、よかった。


「い、いいんですか!?すごく嬉しいです!」


花江くんはあたしの両手を取り、ぶんぶんと上下に振った。


そ、そんなに嬉しいかな。


「桜先輩って、優しいし可愛いし…本当に好きで、尊敬してます」


キラキラな純粋な目で見つめられ、悪い気はしない。


なんだか花江くん、大きいのに仔犬みたいだなぁ。


「ありがとう…。じゃあこれからよろしくね」


「はいっ!」

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