桜色トライアングル
「な、なんでもないよ。それより海希くん、戻らなくていいの?」
「ん、そーだな、戻らなきゃ。桜、ちょっと待てるか?一緒に帰ろ」
にっこりと微笑まれて、どきどき胸が高鳴る。
い、一緒に帰ろなんて、嬉しすぎる!
「うん、待ってるね」
「うし、じゃ、飴舐めて待ってな」
海希くんはあたしの頭をわしゃわしゃすると、走って戻っていった。
うはぁぁ、海希くんと一緒に帰れる~、真姫に感謝しなきゃ。
あたしはポケットから、もらったキャンディを取り出して、笑ってしまう。
海希くんと、いつか恋人になれたらいいな。
今はきっと、ただの妹…とか思われてるんだろうなぁ。
だって、いつもからかわれるし。
どうしたら大人っぽくなれるのかなぁ…。