桜色トライアングル
嵐の予感
芹沢先輩
「ふぁぁ…」
今日はなんだか眠いなぁ…。
朝なんて、いつも眠い気もするけど。
運良く端っこに座れたあたしは、電車に揺られている。
まだ駅に着かないし少し寝ようかな。
頭を壁側に傾けて、目を閉じた。
…のに、頭をぽんぽん叩かれて、あたしは少し寝ぼけながら目を開けた。
「よ、桜」
「かかかっ、海希くん!?」
あたしの前には、笑顔で片手をあげる海希くんが立っていた。
つり革に掴まっているその腕の筋肉が綺麗で、なぜか目を逸らした。
え、ていうか、なんでこの時間の電車に?
「海希くん、今日は遅いんだね?朝練は?」
「ん~、寝坊したんだ。だから朝練はサボり」
ふわ、っと軽く欠伸して、涙のたまる目であたしを見てくる。
うぅぅっ、カッコよすぎて見れない。