桜色トライアングル
それから二人で駅を出て、自然な流れで学校まで歩き始めた。
て、ていうか、こうやって朝一緒に歩くこと事態がレアすぎる。
いつもは海希くんは朝練あるし、一緒の電車になんてなったことなかった。
なんか急に緊張してきちゃった。
あたしは変に意識しちゃって話せないけど、海希くんは気にせずスタスタ歩いていく。
あ、え、ちょっと歩くの早いなぁ海希くん。
少し離れてしまった距離を縮めようと小走りになると同時に、海希くんが振り返る。
あたしも釣られて、びっくりして立ち止まった。
「桜」
ポケットに手を突っ込み、右半身だけあたしに振り向いて。
その姿と朝日が絵になりすぎて、またも胸が高鳴る。
「なに…?」