桜色トライアングル




再び歩き出した海希くんに追い付いて、隣に並ぶ。


「どうして?」


あたしはどうしてそんなこと聞くのか、という意味で聞いてみる。


「桜がいなくなったら、応援席ガラガラになっちゃうからさ」


え、あー…。

そういう、ね。


あたしったら、なにを勘違いしてるんだか。


「大丈夫だよ」


好きなのは、海希くんだし。


あたしが応援席にいなくなるのは、あなたに振られたときだよ。


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