桜色トライアングル
くるん、くるん、と飴の棒を回していると、
「誰あれ~?妹?」
「えぇ~、海希くんに妹なんかいないよ」
「えっ、彼女?」
「それはナイナイ!」
そんな会話をして笑いながら、あたしを見てくる二人組の女子と目があった。
「なんかあの子見てくるよ~?」
「恵末の声がでかいからっショー」
「いや、あんたもだし」
はぁ、と溜め息をつく。
海希くんと仲良くできるのは嬉しいけど、こういうことが多々あるから、少し落ち込んでしまう。
あたしは、海希くんに似合わないって痛感させられるから。
「海希くん、早く来ないかな…」
ただ好きなだけなのに、悪口…言わなくてもいいじゃん。