桜色トライアングル




くるん、くるん、と飴の棒を回していると、


「誰あれ~?妹?」


「えぇ~、海希くんに妹なんかいないよ」


「えっ、彼女?」


「それはナイナイ!」


そんな会話をして笑いながら、あたしを見てくる二人組の女子と目があった。


「なんかあの子見てくるよ~?」


「恵末の声がでかいからっショー」


「いや、あんたもだし」


はぁ、と溜め息をつく。


海希くんと仲良くできるのは嬉しいけど、こういうことが多々あるから、少し落ち込んでしまう。


あたしは、海希くんに似合わないって痛感させられるから。


「海希くん、早く来ないかな…」


ただ好きなだけなのに、悪口…言わなくてもいいじゃん。


< 6 / 140 >

この作品をシェア

pagetop