桜色トライアングル
そう言って先輩は手を振って、どこかに歩いていった。
なんだったんだろう。
雰囲気がコロコロ変わる人だ…。
まだ熱い頬の熱を冷ますように、自分の右手を添える。
あぁ、びっくりしたなぁ、本当に。
でも、悪い人では、なさそう?
「あ」
頭を撫でてくるあの姿。
重なったのは、海希くんだ。
いつも撫でられてたからかなぁ?
なんだかモヤモヤと不思議な気持ちを持ちながら、あたしは駅への道のりを歩いた。