桜色トライアングル
隣の子早いんだけど!
あたしも負けずに頑張ったけど、一人二人と抜かれて、結果は3位で16.8秒だった。
「桜おつかれっ!思ってたより速かった」
「もう~、真姫の方が早いかんだからそういうこと言わないで」
はぁ、はぁ、と乱れた呼吸を整えつつ、真姫の走りを見るためにゴール付近で待機することにした。
真姫は、今は部活には入ってないけど中学の頃は陸上部に入ってたし、元々運動神経がいい。
「真姫がんばってね~~」
「ほい!」
真姫は敬礼ポーズをしてから、スタート位置に走っていった。
あ、真姫と一緒に走る人、現役陸上部の人だ。
離れたところから、よーい、どんっ、と声が聞こえて真姫たちが走り出す。
「わ、真姫、抜けそうじゃん」
陸上部の子もやっぱり早い。