桜色トライアングル
四人ともゴールして、真姫は2位だった。
やっぱり抜けないよね、でも速かったなぁ。
「おつかれ真姫~、速かった」
「そう?抜けなかった~、やっぱり」
そりゃあ専門的にやってるしね、あの子は。
少し話をしていると、チャイムが鳴ってもうそんな時間だったんだ、とちょっとびっくりした。
動いてると時間が過ぎるのが早く感じる。
「集合してー!終わりにするよ!」
体育の先生が、集合をかけて、体育の時間は終わった。
「アタシ、水飲んでくるね。桜も行く?」
「あたしは大丈夫」
「じゃ、すぐ戻ってくるね」
真姫はスタスタと歩いて、近くの水道に行った。
先に教室に戻ってようと、下駄箱に向かおうとしたら先生に呼び止められてしまった。
「真田、悪いんだけど、このコーン倉庫に片しておいてくれる?三浦たち片付けなのにもう戻っちゃってさ」
三浦…って、体育委員の人だ。
先生の手には大きめの赤いカラーコーン。
「あ、はい。あっちの倉庫でいいんですよね」
「うん、そうそう、あと鍵もよろしく。じゃあ頼んだよ」
「はーい」