桜色トライアングル




先生から受け取った倉庫の鍵をポケットに入れて、コーンを持ち上げる。


ちょっと大変だけど、2個重なってるだけだし大して重くないや。


真姫に声をかけてから行こうかと思ったけど、運ぶだけだしいいや。



「よいしょっと」


グラウンドから少し離れた、体育館脇にある倉庫。


ちょっと広めで、あの独特の涼しい空気を思い出しながら歩くと、すぐに到着した。


ドアは開いていて、中を覗くとカラーコーンの置き場は奥の方だ。


薄暗い中、ようやくコーンを下ろして一息つくと、バンっ!!という音とともにさっきよりも倉庫内が暗くなった。


「あ!ドアが閉まってる!?」


嫌な予感がしてドアに走りより、横開きの戸を動かしてみるけど、ビクともしない。


冷や汗が背中を伝っていく。


横開きのドアなんだから、勝手に閉まるのはありえない。


ってことは…

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