桜色トライアングル
何度かドアを揺らしてみるけど、開く様子がない。
外から、微かに聞こえるクスクスという数人の女子の笑い声。
閉じ込められた…?
「あんたさぁ、生意気なんだよ!!理玖(リク)にも、海希くんにも近づいてさぁ。なんなの?ビッチじゃん」
外から大声で、あたしに向かって言っているだろう言葉。
理久って、確か芹沢先輩の下の名前だ。
この間、一緒に帰っているところを見られてたのかな。
ビッチって…、あたしは海希くんだけだもん。
「やめてくださいこんなこと!出して!」
ドンドンっと再度叩くけど、笑い声が増えるだけ。
ただの逆恨みだよ、こんなの。
芹沢先輩を呼び捨てにしてるから、きっと
この人たちは、先輩だ。
それに、たぶん芹沢先輩を好きな人たち。