桜色トライアングル




芹沢先輩も海希くんも、みんなに人気なのは知ってたけど、これほどとは知らなかった。


あたしが仲良くしているのが気に入らなかったんだろうな。


だけど…。


ドアを叩いていた手を下ろして、ため息をつく。


こんなこと、しなくたって良いじゃない。



「そこにずーっといなよ、一生出てくんなばーかっ。きゃははっ!」


だんだんと笑い声が遠ざかっていく。


まずい…、ここは体育のときにしか使わない倉庫だし、今日はもう授業はない。


一生ここにいるのはありえないけど、たぶん最低でも授業があるのは明日…。


あれ、待って、今日は金曜日。


「明日、みんな学校来ないじゃん…!」


サッと顔から血の気が引く。


部活がある人は来るとしても、こんな所は通らない。



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