桜色トライアングル




「どうしよう…」


ドアの前に座り込んで、体育座りをして体を丸める。


いくら夏に近いと言っても、この倉庫は北側にあってあんまり日が当たらないし、

コンクリートむき出しの倉庫だから、肌寒い。


体操服で半袖だから、余計に寒く感じる。


少し体を動かしたその時、ポケットに硬い感触があることに気づいた。


「あっ、鍵!…って、中からじゃ、意味ないか…」


一瞬立ち上がりかけて、また座りこむ。


喜び損…、でも、本当に出れなかったら、どうしよう。



「あ、そうだ…」


教室には制服や、カバンだって置きっぱなしだ。


真姫なら絶対気づいてくれるはず!


だけど…それも、あの女の先輩たちが持っていっちゃったりしていたら、気づいてくれない。


「はぁ…っ、どうしよ」



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