桜色トライアングル




仕方なくタオルの砂を払って、肩に掛けてみる。


「あ、ちょっと温かい…かも?」


さっきよりはマシな気がするようなしないような。


もうどんどん暗くなってきて、目が暗闇に慣れてくるぐらい。


足をさすって、少しでも温かくならないかとやってみるけど大した効果はなさそう。


よく、雪山とかで寒いと眠くなるっていうけど、なんだか眠くなってきた。


「んん…ねむ…。ふぁ…」


暗くなってきてるから、そのせいもあるのかもしれない。


あたしは隅っこに一枚だけあったマットを引っ張って、そこに寝転がった。


「う…臭…」


なんか変な臭いがする…けど、眠気には勝てなさそう。


寝てる間に、誰かが探しに来てくれるといいんだけど…。


ぎゅっと、キャンディを握りしめながらあたしは夢に引き込まれていった。



< 72 / 140 >

この作品をシェア

pagetop