桜色トライアングル
「鞄がなかったなら、学校にはいないってことか?」
『でも、桜、先生にもなにも言ってなかったみたいなの。もしかしたら、学校でなにかあった可能性もあるかも』
「宮沢はもう家だろ?俺が学校に戻って探すから、宮沢は他に桜が行きそうな場所を探してくれ」
『わかった!また連絡する!』
通話が切れたのを確認して、すぐさま来た道に自転車を走らせた。
桜を見かけた人がいるかもしれない、先生に聞きにいこう。
学校に戻る途中で、俺より遅く出たサッカー部のやつらと会って、桜を見かけたか聞いたけど誰もわからないらしい。
その集団の中に居た昂矢は一緒に探す、と学校までまた戻ってくれた。
くそ…っ、桜になんかあったら…!
焦りと不安に苛まれながら、自転車をこぐ。
「海希!俺、先に校舎とか探してるから、お前は職員室行けよ!」
「わかった、ありがとな」
校門前に自転車を止めて、職員室まで走る。