桜色トライアングル




明かりがついてるから、まだ何人かはいるだろう。


外からコンコンっとノックをして、顔だけいれて中の様子を見ると、事務の人と…


あ!俺の担任!


「秋本ちゃん!桜…真田見なかった!?」


俺の担任は秋本という男の若い体育教師。

きょとん、と不思議そうな顔で俺を見てくる。


「真田さん?体育の時には見たけど」


「体育の授業って…六時間めの?」


「そうだよ、それがどうしたんだ?」


ってことは、秋本ちゃんが最後に桜に会った先生ってことだよな!?


「桜が、いないんだ」


俺がそれだけ言うと、職員室の空気が変わった気がした。


「行方不明ってことか?茅野、そんなとこいないでこっち来て説明しろ」


言われた通りに、靴を脱いで先生の机まで行く。


「HRは?出てなかったのか?」


「出てないらしいです」


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