桜色トライアングル




「家出…とかじゃないんだよな?」


「それはないと思います」


「あれ?…そういえば、俺…」


秋本ちゃんがおもむろに立ち上がり、色んな教室の鍵がかかっているボードに寄っていく。


「返されてない…、茅野、体育倉庫に行くぞ!」


「体育倉庫…?」


訳がわからないけど、秋本ちゃんが走って職員室を出ていくから追いかけるしかない。


「秋本ちゃん!どういうことだよ!?」


「俺、真田に片付けを頼んだんだ。そのときに倉庫の鍵も渡したけど、今見たら返されてなかったんだ」


て、ことは…


体育倉庫か、そこに行くまでの道のりで、なにかあったってことか…?


俺は走りながら、昂矢に電話をかけて、倉庫に向かっていることを伝えた。


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