桜色トライアングル



秋本ちゃんが去ると、ひょいっと昂矢が顔を出した。


「さくらん、大丈夫?」


「大丈夫…けど、大丈夫じゃないかも」


ぼそっ、と桜が呟いて、昂矢はその言葉にケラケラと笑っていた。


今のどこに笑いのポイントがあるんだ?


「そうだ海希、真姫ちゃんには電話したか?」


「あ、そうだよな。してないや」


と、言いつつも、桜を抱えている状態じゃ掛けられないからどうしようかと考えていると、昂矢が笑った。


「じゃ、真姫ちゃんには俺が言っとくからさ、さくらんを送り届けろよ~。じゃあな!」


暗闇の中、昂矢は走っていった。


さっきも走ってたのに、元気なやつ。


「海希くん…ありがとう、探してくれて。でもみんなに迷惑かけちゃったな…」


桜は少し落ち込んだように言った。


「桜のせいじゃないだろ?問題は…、誰がこんなことしたかだ」


「海希くん、犯人…とか、探そうと思わないでね?」


「は?なんで?」


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