桜色トライアングル
こんなことするなんて、男でも女でも、一発殴りたい気分だ。
なのに当の本人は、犯人を探すなと言う。
「うーん…、きっと、なにかあったんだよ」
ほんっと…お人好しなやつ…。
「バカだな、ホントにお前は」
いつものように、桜の頭を撫でたい衝動に駆られる…けど、この体制じゃ無理だ。
他の女子といたって、こんな気持ちにはならない。
小動物みたいで、優しい、こいつにしか。
「ダメだからね」
桜に念を押されて一応はいはい、と返事はしたけど、犯人は探すつもりだ。
だって、許せるわけないだろ?
好きな女がひどいことされて、黙ってられるわけない。