桜色トライアングル



こんなことするなんて、男でも女でも、一発殴りたい気分だ。


なのに当の本人は、犯人を探すなと言う。


「うーん…、きっと、なにかあったんだよ」


ほんっと…お人好しなやつ…。


「バカだな、ホントにお前は」


いつものように、桜の頭を撫でたい衝動に駆られる…けど、この体制じゃ無理だ。


他の女子といたって、こんな気持ちにはならない。


小動物みたいで、優しい、こいつにしか。


「ダメだからね」


桜に念を押されて一応はいはい、と返事はしたけど、犯人は探すつもりだ。


だって、許せるわけないだろ?



好きな女がひどいことされて、黙ってられるわけない。


< 80 / 140 >

この作品をシェア

pagetop