桜色トライアングル
保健室につくと、既に秋本ちゃんが開けておいてくれて、手前のベッドに桜を寝かせた。
秋本ちゃんは、見当たらないけど、もしかして俺たちに気を使ってるのか?
「大丈夫だよ海希くん、怪我してるわけでもないし…」
ちょっと赤い顔の桜が、力なく笑う。
「ダメ。俺が心配だから。桜、ケータイ貸して、家に連絡する」
「自分でできるから平気!」
なんでそこで意地を張るんだか。
「そーかい。っていうか…」
桜の制服と鞄はどこにいったんだ?
宮沢は教室にはなかったって言うし、桜を閉じ込めた誰かが隠したのか。
体操服のまま家に返すわけにもいかないよなぁ。
「うーん…」
電話をかけている桜を見ながら考えていると、ふといいアイデアが浮かんだ。