桜色トライアングル



学校指定のジャージはたぶん、教室のロッカーに置きっぱなしになってるはず。


今から取りに行くのも面倒だしな。


恐る恐る、といったようにジャージを着る桜を見て内心笑いながら、終わるまで待っていた。


「あ、海希くん、お母さんが迎えに来てくれたみたい」


ベッドから降りて、スマホの画面を見せてくる。


「じゃ、帰りは安全だな。なにがあるかわかんないし、気をつけろよ?」


「う、うん。ありがとう」


にこっ、と笑う桜に、不覚にもきゅんとする。


だぼだぼの俺のジャージ着て、袖が長くて動き辛そうにしているのが…超…かわいい。


やばい…抱き締めたい…



「海希くん?どしたの?」



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