桜色トライアングル




少しお辞儀をして、手招きをしてみると、河原田先輩はグループの人たちになにか言って、俺のところに駆け寄ってきた。



「なにか用?あなた、2年の海希くんだよねっ?」


近づいてきたと思ったら、なぜか手を握られ、顔を近づけてくる。


なんで俺の名前知ってるんだろ。


あと、香水がきつい、な。



「あ、そ、そうです。話があるんで、ちょっと来てもらえますか?」


「なぁに?ここじゃダメなの?」


不自然に大きな目を向けられ、思わず顔を背ける。


なんか、苦手な人だ。


「はい」


「ふふっ、じゃあ、移動しよっか♪」


腕に抱きつかれて、胸をわざと押し付けられているのがわかる。


この人、なにが目的なんだろうか…。



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