桜色トライアングル
風邪
お宅訪問
もぞもぞ、と温かい布団の中で動いてみる。
「だるい…」
昨日の月曜日は学校を休んで今日は火曜日。
あのとき体が冷えたのが原因なのか、日曜から熱が出た。
ただの風邪だから、熱もすぐ下がると思ったのに、中々下がらない。
「桜、どう?」
体温計を腋に挟んでいると、お母さんが部屋に入ってきた。
ピピッと鳴った体温計を無言でお母さんに渡す。
「あら、38℃もある…。やぁね、季節外れのインフルエンザ?とにかく、今日も寝てなさい。リンゴ剥こうか?」
「ん…いらない」
「そう?剥いとくから、お腹すいたら食べなさいね?お母さん、もう出なきゃいけないから」
「うん、大丈夫~…」
お父さんはもう会社で、そろそろお母さんもパートに出るとなると、あたしは家に一人だ。