桜色トライアングル



*****


ピンポーン、という音が聞こえた気がしてハッと目を開けた。


夢か現実か区別がつかなくて、耳を澄ましてみると、もう一度ピンポーンと聞こえた。


現実だったみたい。


スマホで時間を見ると、2時半を過ぎたところ。


お母さんはパートは4時までだし、第一チャイムを鳴らさなくたって鍵を持ってる。


「よいしょ…」


少しだるい体を起こして、パジャマのまま1階に降りる。

あ~、汗でベタベタ…、後でお風呂に入ろう。


どうせ宅配便だろうし、見られてもいいや。


なんて、軽い気持ちでドアを開けたのが間違いだった。



「やっほ~、桜ちゃん」


「………!?」



バンッッ!と思いきりドアを閉める。


いい、一気に目が覚めた!


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