桜色トライアングル




「ふぅ…」


「あ、あの、先輩?」


「なに?」


グラス片手に、ニッコリ笑いかけられる。


「なんで、あたしのお見舞いに?」


「君が風邪だって聞いたから」


合ってるけどそんなことが聞きたいんじゃないです先輩。


「はは、わかってるよ、そんな顔しないで。ただ、オレは君に興味が湧いた」


きょとん、として首を傾げると先輩はくすくすと笑った。


「簡単に言ったほうがいい?」


「えぇと、はい」


「オレは君が気に入った」


…はい?


「んん…えぇと」


「まだわかんないの?」


そんな眉を寄せて可愛い表情されても、わからないものはわからないです。


先輩があたしを気に入った?


そんなまさか。

だって、王子だよ?


それも、あたしをイジメるのも躊躇しないほど、熱狂的なファンもいる人。


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