二十歳の約束

先生が私の腕を掴んで走り出した。

先生は走るのも早くて
文化部の私には少しきつかった。

それでも離さんめとばかりに
強く掴まれていた。

指の跡がつく勢いだ。

「先生っ、」

「ついたぞ!」

あっという間に駐車場についていた。

とりあえず、と後部座席に二人で入った。

先生はカバンから少し大きめのタオルをとって
私の頭に被せた。
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