二十歳の約束

先生はなにかを納得したような顔をした。

「俺の一方通行だったのか?俺が一人で舞い上がってたんだ。」

「それはちがう!先生が好きやけん。
バイバイすると!
うちと一緒におったら良いことないし
迷惑かけるばっかやけん!」


「迷惑かどうかはおれが決めることやん?」

「うちはね、先生に幸せになってほしい。
ちゃんと歳が近くて大人っぽくて美人で、先生の隣にずっといてくれる人、探して?」


ちがう、本当のことが言えない。
素直になるって、伊織と約束した。
素直にならなきゃなのに、本当のことが
言えない。
ちがうの、先生、私、今嘘ついてる。
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