ハツカレ


それもそのはず

拓ちゃんが重なった手を
ギュッと握ってきたから。


いきなりの事に私は2人の手を見つめる事しかできなかった。


手を繋いだまま夜景のキレイな展望台に着いても私たちは降りる事なく車の中にいた。

拓ちゃんがグッスリ寝てたから。


「起こせないね~」
「起きたら拓ちゃんと2人で来たら」

なんて言いながら後ろを覗き込む2人に繋いだ手を見られないようにブランケットで隠しながら
『うん、分かった~!』
なんて返事をした。




この時どうして手を離さなかったのか


答えは簡単。

離したくなかったから。



これが、
自分の気持ちに気付きはじめた時だった
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