ハツカレ
半ば強制的に出された外の空気は
それはまるで冷凍庫の中に閉じ込められたかのように冷たかった。
それを見越してホットココアを差し入れしてくれたお姉ちゃんに感謝してしまう自分に嫌気がさしたので、気分を変えようと、浜辺を歩き始めた。
…あ。
彼の存在を忘れてた…
『…えへへ』
すごく引きつった表情が自分でも分かるくらいの愛想笑いを浮かべ、彼に話しかける決心をした。
『巻き込んじゃってごめんなさい、お姉ちゃん自己中だよね』
とりあえず謝罪しておこう。
「あ、いや大丈夫ですよ。僕が行きたいって行ったんです」
『え?』
自ら海に行きたいと…?
志願したのか、君は。
「あの…慎兄さんから誘われたんで、行きたいって言ったんです」
『あ~、先輩から誘われたら断れないもんね~笑』
上下関係というものの怖さを知りました。怖い怖い。
「いや、違うんですよ!」
急に焦り始めた彼の話を聞くと、