ハツカレ

舞台と客席


お昼前にお姉ちゃんと合流し、
軽くランチを済ませてから劇場へ向かった。

開演時間より1時間早く着いたため、
お姉ちゃんは慎くんの居る楽屋へ行くと言ったので、私は楽屋の外で待たせてもらうことにした。

30分後.
すごく笑顔で戻ってきたお姉ちゃんは
機嫌よく客席へ向かったのだった。

~♪
音楽が流れ、舞台が開演した。


舞台の上の慎くん。
それを見つめるお姉ちゃん。

いつもの光景…

でも今日は拓ちゃんに注目してしまう。
いつもはお姉ちゃんの付き添いだけのために来ていたので役者としての拓ちゃんを真面目に見るのは初めてだった。


…かっこいい。
汗を額に浮かべながらの演技は年下とは思えないくらいで、お姉ちゃんより真剣に見てしまったかもしれない。


でも、それと同時に昨日は隣に座っていたのに今は舞台と客席という距離という事を実感してしまった。

近くて遠い距離
役者と観客の距離
目も合わないくらいの距離



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